令和6年
ここ数年の東京の年末年始は、雲一つない青空が広がる、穏やかな気候が続いたように記憶しておりますが、今回は、雨も降り、大掃除等の日程を調整しなければならない日がありました。ただ、のんびりと過ごせ、以前から読みたかった本を読破することができました。頭の中はすっきりしております。
年明け早々、私が昨年末抱いた希望とは異なり、国内では様々なことが起きております。当事者でない私たちは、自分自身ができることを淡々とやるのみです。明日は我が身ですから。
以前から読みたかった本と言えば、そんな書籍があるのかどうか定かではありませんが、少子高齢化で生産年齢人口が減るので、税収も減り、一方、年金支給額は増加するため、財政が厳しくなるという説はもっともなのですが、その後の日本は、どうなるのかについて予想された書籍、も探してみたいと思っております。
働き方改革がまさに進行中だったころ、もっと効率的に働け、生産性をあげろ、そうでないとこの国は持たなくなる、人生100年時代だ という目標に対して、異説を唱える少数派の人がおられました。人口が減るのだから、逆に国民一人当たりの所得を増やすことは可能なのではないかという説を目にしたことが有りました。日本よりはるかに人口が少ない国でありながら、一人当たりGDPが多い国は多くあるわけで、彼らの国が豊かではないかというと、決してそうではないようですので、一理あると思いました。何か見落としていないのか、気になっております。
海外の情勢を見ると、なんといっても気になるのはウクライナ戦争であり、この戦争のせいで、全世界の燃料が高騰し、インフレにつながり、各国の豊かさが脅かされています。結果(なのか)、世界情勢が不安定化しているのは、否めない事実です。
この戦争の終結後を、世界の指導者たちはどう想定しているのか興味深いところです。
自然権を侵され続けているウクライナ国民の感情を考慮しながら、うまく終結させる知恵を出すのは、容易なことではないと思われます。
そして、ここのところ、軍事紛争が日本にも起こりえることを、私たちは忘れがちです。
中国の経済崩壊は本格化しており、これがために、台湾進攻の可能性が低下しているのではないかという意見もありますが、中国の歴史からは、相手が弱い立場にある場合には、強い態度ででてくることは明白です。したがって、この問題に対しては、緊張感を解いてはならず、常に日本の態度を明確にし、有効な抑止力は確保し続けなければならないと考えます。このことは、日本のみならず、東南アジアを含む周辺友好国の安全保障にもつながりますし、日本はその役割を担うことを彼らやアメリカより期待されています。
アメリカと言えば、第二次世界大戦で日本に最も関与した国として、戦後の日本の在り方について、戦勝国から任され、戦後を処理し、その後の日本が、軍国主義から西欧型民主主義、経済重視、経済大国へ発展することを主導してくれた国です。現在の日本があるのは「君たちのおじいちゃんやおばあちゃんが必死になってこの国を守ってくれたから」であることは間違いないのですが、一方、アメリカが日本に関与し、寄与してくれたからであったことは、歴史の事実でもあります。アメリカは既に当時から、現実的な占領政策を、複数の戦勝国との調和をはかりながら、かつ日本国民の世論をも考慮しながら、行うことができた世界のリーダーであり、大国であり、先進国でした。私たちの世代は、アメリカという国が日本に関与してくれたことの意義を、素直に理解できる世代に変わってきております。
様々な苦難を乗り越え、歴史の事実を受け入れることができた日本人の賢明さも、やはり忘れてはならず、これは、今を生きる日本人すべてが、先祖が残してくれたこととして、堂々と誇るべき部分です。
令和も6年目です。
人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ。
この気持ちを忘れることなく、今年1年を送れればよいと考えております。