中国経済崩壊9

 
 

 さすがに夏は終わったようで、朝晩が涼しくなり、寝苦しさからも解放されています。秋の長雨が続く感じの毎日です。

 中国についての「経済崩壊」の報道は、少なくなってきています。そんな中、2か月ほど前に非公式だった情報が、チラホラ、出始めました。中国の原潜が台湾海峡で爆発したとイギリス情報部から当時報道されていましたが、実は、黄海上であったとのこと。そのメクラマシのために、処理水問題で騒いでいるのではないかと言われていました。真実のほどはいかに。

 中国政府の報道は、事実を正確に伝えるのではなく、いいように見せたい報道だと、明らかに気が付くようになりました。都合の悪いことや悪いように、は公表しません。彼らの出す「良い=張りぼて」報道の逆にある真実を見逃さないように注意しています。経済指標等でも、前年同月比で大幅に改善したなどと報道されたりしますが、その前年同月はコロナ下で最悪の時期であったり、国内旅行者数も回復したとありますが、海外旅行者数はそうではなかったり、渡航先も、以前と変わり東南アジアが人気だったり、などします。公表をうのみにするのは危険だと思い、じーっと静観しています。

 日本のバブル崩壊後の30年間を思い出すと、バブルが崩壊した年に、いきなり懐が寒くなり、旅行も控え、消費も控え、とならなかったのをはっきりと覚えています。崩壊したあと数年間は、普通に旅行にも行きましたし、節約などしませんでした。ただ、不動産業界は大変で、廃業は増え、投資目的のマンション購入は激減し、社長の自殺等も相次ぎました。そんな中、じわりじわりと景気が悪化し続けて、どこまで進むのかわからない、といった状況が30年続きました。
 中国の問題は、身の丈に合わない過剰な国内外へのインフラ投資、と、国内消費の低迷、軍備増強が主です。金額がけた違いに多く、大きな大きな問題です。まだ軌道に乗っていないこれらを、現在の経済悪化の状況で安定させるのには、多くの時間が必要とされると思います。

 アメリカはデカップリングを望まないとしています。一方で、不公正、不公平な競争は許さないとの態度を貫いており、西側同盟国の立場を代表する主張であり、大いに賛成し、歓迎したいと思います。
 私の予想では、これからの中国は、経済崩壊がじわじわと進む中、不公正、不公平な体制は残念ながら長年続くと見ています。なので、リスク分散の観点から、これ以上の中国への投資や進出は控えるべきであり、日本は日本の得意とする分野を、これまで以上に伸ばし、なんといっても、情報を盗まれないようにすることが大切だと思っております。

 ところで、最近、中国の本質を知るべく、中国がかつて起こした、戦争の暴力的な面だけでなく、冷静に戦争を回避しようとしていた側面を、少しづつ覗いているところです。中国という国は巨大な国で、他民族国家であり、様々な考えを持った人たちが暮らしています。よって、多面的にこの国を見る必要があります。シンガポールやマレーシア、台湾、などで暮らす中国人の成功を考えるとき、中国の将来性はあると確信しておりますが、ただ、それには、本当に長い月日がかかると思います。

 日本は、古くから民主主義の側面を持った国家であったとはいえ、長い内戦を経て、その後安定期が訪れ、明治維新、大きな戦争を経て、欧米型の民主主義を取り入れ、現在があります。この間、数百年の時間が必要でした。

 このような歴史を持つ日本人が、彼らを単純に、簡単に、現在の日本人の尺度で考え、彼らの可能性に投資することは、大きな流れが止まらない中、ちょっとできたよどみの中で休んでいる魚を食べているようなものなのかもしれません。よどみを本流と誤り、投資を加速したり、撤退を躊躇するのは、あまりにもリスクが高い行為だと思います。
 
 

 頑張れ日本!