猛将の罠
週休3日制を継続しております。
20代のころ、知人が週休3日制の税理士事務所に就職しました。面接の際、週3日休みがあれば、しっかり税理士試験の勉強ができる、恵まれた環境だと言われ、若干の期待を持って彼は就職したのですが、5日でやる仕事を4日でやらなければならず、仕事はハードで、残業続きで、結局、週末は疲れきって、勉強にならなかったと聞きました。
そんないい話があるなはずがないと思っていましたが、やはりな と、当時考えたことを思いだしています。
弊社の週休3日制は、やれる仕事とやれない仕事を明確に分け、やれないことはやらない。
そうでないと週4日で、これまで同様こなすことなどできないと考えます。
いわゆる「おなかいっぱい」の状態で仕事をすることが、良いことなのかどうか。
(こんなことを考えるようになると、もういい年齢、なのかも知れません)。
ただ、おなかいっぱいになりたい、なりたいなあ、という気持ちが、巨大なベンチャー企業のオーナー経営者につながったりするのでしょうが。
一方、腹八分目とも言います。
めざしの土光敏夫会長を思い出してしまいました。
「生き方」の問題だと考えます。
私にとって、近年、巨星逝く といった感じで、生き方の指針となってくださっていた方が、数多くお亡くなりになられました。
往年のことを、最近、よく思い出しております。
あまり故郷のことは記したくないのですが、会計業界で、ビジネス会計人として著名だった先輩も、近年お亡くなりになられた一人です。
私が、彼のことを高く評価していた(不遜な言い方で失礼します)理由ですが、大学院で研究していたころのこと、彼が若い頃書いたいくつかの論文を発見し、単に「蓄財」のためや、あるいは「名をあげる」ために、おなかいっぱいを目指していた人ではない、正しく税法学を勉強し、そのうえであそこまで行かれたかただと知り、その正統派の心意気に感動したからでした。
その後の、彼のご活躍は言うまでもありません。
晩年は腹いっぱいになりすぎていたのか、その腹を少し減らすべく、こっそり応援していただいたことがあります。そのこっそりでスマートな応援手法と、与えられた機会の大きさに「粋だな」と感じることが多かったです。
彼の存在は全く見えず、私にとっては邪魔ではなく、特にプレッシャーやストレスも感じませんでした。
鹿児島県人らしい、粋な応援の仕方だったと思います。
このような大きな会計人はもうしばらくは出てこないかも知れません。
「猛将の罠」について書くつもりが、こんな結論に変わってしまいました。
そんな日か、今日は。
明日から六月です。